2008年4月分


4月1日(火)

春の嵐がやってきましたね。用事があって釧路市内まで出て
きましたが、吹雪がひどくてけっこう危険でした。営巣して
いるタンチョウの様子など見に行きたかったのですが、とて
もそんな状態ではありませんでした。しかし、吹雪いている
なかで撮影すると、霧が出ているようにも見えてしまいます
ね。もうすこし雪が積もるような状態なら、景色的にもきれ
いになっていいのにな・・・。             


4月2日(水)

今日は期待していたような積雪にはならず、部分的に吹き溜ま
りができているという状態でしたね。玄関の前はたいしたこと
なかったものの、車の前は雪かきをしないと動かせないくらい
吹き溜まりができていたので、まずは一仕事しなければいけな
かったです。午後からは晴れ間も戻ってきてくれましたが、風
は強いままでけっこう寒かったです。明日の朝も冷え込むよう
ですから、いい景色を期待したいですね。         


4月3日(木)

先日みつけたタンチョウの営巣しているところを見に行き
ましたが、残念ながら雪が積もっていて巣は放棄されてし
まったようです。たしかに、あの嵐では卵を抱き続けるこ
ともできなかったでしょうね。まだ春も始まったばかりな
ので、また元気な卵を産んでくれることを期待します。し
かし、今回の嵐はかなり影響があったようです。この時期
に単独で飛んでいるタンチョウの姿がありましたので、相
方とはぐれてしまったのでしょうか?ちょっと心配です。


4月4日(金)

午後から雨の天気でした。湿原もしっとりとしていい雰囲気に
なっていましたね。タンチョウの姿もあちこちで見られました
が、やっぱり一羽のものが多いです。ちょっと心配していまし
たが、きっと営巣していて卵を抱いている方は巣でひたすらジ
ッとしているからなのでしょう。夕方には雲が一瞬だけ切れて
夕日が湿った湿原を照らしてくれました。明日は霧が出そうな
感じなので、いい景色が見られそうですよ。        


4月5日(土)

このところ、あちこちでエゾジカの姿をよく見かけます。一時期は
数十頭の大きな群れで移動していたようですが、そろそろバラバラ
になっているみたいです。この牡鹿の群れも、3頭だけでした。も
うツノの生え替わる時期のようで、左側の鹿は角を落としていまし
た。森の中をまめに歩けば、鹿の角を拾うこともできるかもしれま
せんね。またボタ雪が降りましたが、すぐに融けてしまいました。


4月6日(日)

めまぐるしく天気が変わる一日でした。朝と夕方はしっかり太陽が
見られましたが、曇ったり雨が降ったりとまったく予想がつきませ
ん。でも太陽は冬のキツイ光から春の柔らかい光に変わっていて、
優しい夕日に照らされたネコヤナギの花がきれいでした。朝日・夕
日がらみで撮影するには、事前にいい場所を探しておかなければい
けないので、それが難しいですね。この後はしばらく晴れ間もあり
そうなので、ロケハンもしておかなくては。          


4月7日(月)

急に暖かくなり、北海道でも桜が咲く時期の気温となり
ました。いつもはまだ着込んで出かけるのですが、フリ
ースをはおっただけで十分でしたね。先日の嵐がウソの
ようです。湖の氷も一気に融けてきて、ハクチョウとヒ
シクイの姿がたくさん見られます。アオサギは毎年の営
巣場所に集まって、にぎやかになってきました。春の訪
れと共に、姿を見せてくれるもの見られなくなるものが
いますので、今の様子を楽しんでおきたいですね。  


4月8日(火)

森の中ではいつの間にかエゾエンゴサクが花を咲かせていま
した。小さくて紫の花なので、離れていると花が咲いている
ことに気がつきません。フクジュソウのような黄色なら遠く
からでも目立つのですが、虫達の方はどうなのでしょう。人
間と違って紫外線で見ると、この色もまったく違うものとし
て見えるのでしょうか。暖かい日にはマルハナバチがエゾエ
ンゴサクに来ているのは見たことがありますが、アブなどは
あまり来ていない気がします・・・。          


4月9日(水)

ひさしぶりにウトロへ。もう流氷はなくなってしまっている
かと思っていたのですが、まだ幾分残っていました。しかし
オオワシなどは北へ帰ってしまったようで、ほとんど姿は見
かけません。ただ、海岸線を走らせていると氷のうえで舞っ
ているオジロワシの姿が。しばらく見ていると、カモを捕ま
えていました。海の中に舞い降りて捕まえるのですが、その
あと氷までワシが泳いでいました。なかなか珍しいシーンを
見られて、楽しかったです。              


4月10日(木)

とても珍しいエゾタヌキの姿を撮影することができました。
夜には何度か見たことがあったのですが、日中に出会ったの
は初めてです。ただ、このタヌキは疥癬にかかっているよう
で、だいぶ毛が抜け始め目もあまり開かないような感じでし
た。今日はその他、クマやリスなどいろいろな動物を撮影で
きて、充分に楽しむことができました。いつもこんなにたく
さん出会いがあればいいのですが、滅多にないことですね。


4月11日(金)

東京に出てきました。残念ながらソメイヨシノなどの桜は終わっ
てしまっていましたが、ヤエザクラが咲いていました。この桜は
東大赤門の脇に咲いていたものです。白と黒の景色ばかりを見て
いたので、優しい桜色がとてもうれしかったですね。そういえば
芦川の庭にもヤエザクラがありましたが、今年はどのくらい花を
咲かせてくれることでしょう。今撮っているものがまとまったら
ゆっくり芦川にも行ってきたいものです。          


4月12日(土)

都内はいろいろな花が咲いていて、面白いですね。やっぱり
花が咲いているのを見ると気分的にも明るくなります。ここ
でもヤエザクラの他にショカッサイやオドリコソウに似たも
の、ツバキなどがありました。ツバキは地面に落ちてもなお
絵になるすばらしい花ですね。いやー、しかし季節感が大幅
にずれていてどうも気持ちは高揚するものの、ピッタリと景
色と合わせられない感じがします。           


4月13日(日)

今朝の東京は雨が降っていました。よく上京したときに行く日比
谷公園では、ナノハナ畑の中でモンシロチョウがジッと雨があが
るのを待っていました。もっとたくさんの虫の姿を見ることがで
きるかと思って期待していたのですが、見られたのはこれ1匹だ
け。まだベニシジミなどは出てきていないのでしょうか。きっと
晴れて暖かい日なら、たくさんの虫がやってきていたのでしょう
ね。釧路エリアでも東京の冬のような気候ですが、そろそろヒオ
ドシチョウなどが出てきています。             


4月14日(月)

湿原を歩いていたら、子供が落書きしたような日輪が出ていま
した。雲が流れていたからこんな感じになったのかと思います
が、なんとも味のある形です。この日輪に気がついたのは、空
を見ていたのではなくて、水辺を歩いてカエルを探していたと
きなのですよね。まだ湿原は色がないので、水面に映ったちょ
っとした色に気がついたのかもしれません。エゾアカガエルの
産卵はだいぶ終わっているようで、あちこちに卵塊を見ること
ができましたよ。                    


4月15日(火)

すっかり暖かくなり、屈斜路湖の氷もだいぶ少なくなりました。
とくに砂湯やコタンなどは温泉が流れ込んでいるので、氷の後退
が早いですね。この時期は観光客が少なくなっているので、ハク
チョウたちも人の姿を見ると、駆け寄ってくるようなものまでい
る始末。すっかり人からもらう餌に頼っていますね。近所の畑を
荒らすよりはいいかもしれませんが・・・。カモは少ないながら
相変わらず居着いているようです。このまま夏を過ごすようにな
ると問題ですね。                     


4月16日(水)

天然記念物に指定されているキラコタン岬、立ち入りの許可が
おりましたので、早速出かけてみました。まだ冬っぽい景色な
のですが、緑が見られるようになったら違う雰囲気が楽しめる
ことだと期待しています。ここの川の蛇行はかなり入り組んで
いて、ほんとうの湿原の流れはこんな何だなぁと、自分の目で
確かめることができました。               


4月17日(木)

湿原の周りでは、ギョウジャニンニクがたくさん出てきて
います。基本的には国立公園内なので採取は禁止。でも、
地元の人は散歩ついでにちょっと採取して春の味覚を楽し
んでいるようです。採り尽くしてしまうようなことがなけ
れば、固いことはいわなくていいのでしょうけどねぇ。ま
ったく自然と無関係に生きるよりは、そういう関わりがあ
れば自然の変化を感じられるわけですから。      


4月18日(金)

今朝はほんのり赤い優しい光の太陽が昇ってきました。この
時期にしては冷え込んでマイナス5度となっていましたが、
その寒さを忘れさせてくれるような朝日でした。そんな朝日
をむかえるようにして、エゾジカの群れが出ていてました。
日が昇る前には、ヒシクイがV字編隊を組みながら北へと飛
び立っていきました。釧路湿原も、春を迎えましたね。  


4月19日(土)

釧路湿原のあたりでときどき見かけるベニマシコの姿、なんとか
撮影することができました。今日はヤナギの花芽を食べていたよ
うです。はじめはもっといい場所にいたのですが、車で移動して
いるときに見つけたので撮影できませんでした。歩いているとた
くさんの鳥がいるのですが、鳴き声や一瞬姿を見ただけでは種類
がわからず、そのままにしてしまうことが多いのが残念です。 


4月20日(日)

キクザキイチゲが湿原の周辺で咲いています。他にも
イチゲの仲間が姿を見せいて、林床はにぎやかになっ
てきましたね。こうなると一気に花は咲いては他の花
に移っていくので、なかなか目が離せない時期になり
ました。道路脇でもけっこうたくさんの花が見られる
ので、昔はもっとたくさんあったのでしょうね。春本
番をむかえて、忙しくなりそうです。       


4月21日(月)

旭川へカタクリの取材に向かったのですが、かなり手前で
はまってしまいました。こんなミズバショウの群生があれ
ば、撮りたくなりますよね。しかも、とくに植物園や保護
されているわけでもなく、ふつうにあるのです。これが北
海道の自然ですよね。なかなか奥へは入ることができませ
んが、まだこういう場所が残されているのでしょうね。場
所は自分で探してみてください(笑)。        


4月22日(火)

今日もカタクリを撮影するつもりでしたが、エゾリスにはまっ
てしまいました。エゾリスは秋口に食料を地面に埋めるといい
ますが、ほんとうに埋めているのですね。このエゾリスも地面
を掘って、胡桃の実を掘り出しては食べていました。まわりに
オニグルミの木がありましたから、たくさん蓄えていたのでし
ょうか。それにしても、胡桃の実を囓っているときは大きな音
がしますね。その音のおかげで、姿を見つけることができまし
たよ。                         


4月23日(水)

カタクリの群生地ではヒメギフチョウの姿を見ることができまし
た。かなりの数を見られたので、うれしかったです。産卵や卵も
確認できました。自然の密度が高いというのは、こういうことを
いうのでしょうね。この自然がいつまでもあることを期待したい
と思います。ギフチョウなどの生息できる環境は、適度に人の手
が入っている方がいいようですが、どのくらいコントロールする
のかは難しいところですね。                


4月24日(木)

一週間経つと花の様子もずいぶん変わりますね。釧路湿原のあ
たりでは、フクジュソウはほとんど終わりとなり、エゾエンゴ
サクがポツポツと咲いているのが目立つくらいです。これから
他の花が一気に咲いてくることでしょうね。今日は、タンチョ
ウの雛を確認することができました。4月の嵐では雪に埋もれ
た巣もあって心配していましたが、雛の姿を見られてうれしか
ったです。この写真はカラスの巣。一生懸命卵を暖めているよ
うで、近くには巣を見守る父ガラスの姿がありました。   


4月25日(金)

タンチョウの雛、かわいいですね。湿原でもときどき姿を見る
ことができますし、どうしても見たいという人は釧路市の鶴公
園でご対面することができます。自然の中ではとても近距離で
は無理ですが、鶴公園ならじっくりとその可愛い姿を堪能する
ことが可能です。この雛は20日に生まれてまだ5日目。それで
も元気に歩き回って餌を食べていたり、親に蹴られてもめげる
ことなく腕白ぶりを見せてくれました。ちなみに1日1cmずつ
成長するそうです。すぐに大きくなってダチョウのようになっ
てしまいますね。                    


4月26日(土)

摩周湖川湯線の冬季通行止めが解除されたので、でかけて
みました。朝焼けという感じではなかったですが、朝日が
水面に輝いてきれいでしたね。屈斜路湖ではオオハクチョ
ウはほとんどシベリアへ帰ってしまい20羽程度しか姿を見
ることができませんでしたが、コブハクチョウがやってき
ていました。私は屈斜路湖でコブハクチョウを見たのは初
めてです。渡りの途中で寄ったのでしょうか?     


4月27日(日)

札幌に桜を見に来ましたが、やっぱり公園内とか限られた場所
にしかないのですね。もうすこし風景的なイメージで撮れたら
いいなと思っていましたが、どうもそのようにはいかないよう
です。でも、円山公園ではシマリスが可愛い姿を見せてくれま
したし、ヤマガラなどからの仲間がたくさんいました。もうツ
バメの姿もありましたね。新緑もきれいで、春の雰囲気を楽し
んできましたよ。                    


4月28日(月)

札幌の桜は難しいと思っていましたが、わりといい雰囲
気の場所を見つけることができました。桜と白樺の組み
合わせが明るい雰囲気を作り出していて、よかったです
ね。ただ、白樺花粉症の人は怖い場所です。桜も満開で
したが、白樺も満開。先日、晴天の時に1年分に匹敵す
る花粉が飛散したそうですが、まだまだ花はあります。
私も白樺花粉には気をつけなければ・・・      


4月29日(火)

富良野は思いのほか桜の開花が早く、満開になっていました。
ほんとうは帯広まで移動の予定でしたが、変更して富良野で明
日の朝撮影してから移動することにしました。たしか2005年に
このあたりで撮影したときは5月25日あたりが満開だったので
1ヶ月も早いことになります。桜の開花時期を予想するのは難
しいですが、こんなに幅があるとピッタリ合わせるのは至難の
技ですね。でも、いい桜と巡り会えてよかったです。    


4月30日(水)

帯広も満開のはずだったのですが、到着してみればまだ5分咲き
程度。これなら富良野で撮影してればよかったです。でも、桜と
エゾリスを絡ませて撮影することができました。これで満開なら
もっと華やかな雰囲気にできたかもしれません。ただ、自然写真
はこれが撮れると分かっていたらつまらないもので、予想外の出
会いが傑作を生み出してくれるのですよね。このあとは娘を連れ
て帯広動物園を見て楽しんできました。