2008年6月分
6月1日(日)
肌寒い日が続いています。朝からどんより曇っていて、外に出 てもいまいちやる気になりませんね。そんな日は足もとの小さ な花などを探してみると、けっこう撮れたりします。このカキ ドオシも珍しい花ではありませんが、ぜんぜん撮影していなか ったので釧路川沿いの湿っている場所で撮影しました。釧路川 の河岸は牧草地になっているところも多いですが、わずかに残 されている自然は、けっこう密度が高かったりします。今一度 きちんと見てみなければと思いました。
6月2日(月)
湿原ではクロユリも咲き始めています。去年はまったくみ つけることができませんでしたが、運良く出会うことがで きました。こういう形の花は撮影が難しいですね。色が黒 っぽいうえにシベの部分は影になるので、晴れるとコント ラストが強すぎてうまく写りません。花びらが少しでも光 を通してくれると、もうすこし撮りやすくなるのですけど ね。ハンノキ林も一気に葉を伸ばし、湿原の森も緑が増え て景色が鮮やかになってきました。ヨツボシトンボとキア ゲハの姿も見られました。
6月3日(火)
最近は湿原の花ばかり見ていたので、ちょっと違うエリアを 歩いてきました。北海道の6月は一気にいろいろな花が咲き 始めますので、目を離すことができませんね。この滝の入り 口では、エゾタチツボスミレが群生していてとてもきれいで した。エゾリュウキンカはもうピークを過ぎていて、だいぶ 傷んでしまっているものが多かったです。まだ出かけていな いすばらしい場所はたくさんあるので、どんどん足を運んで みたいと思います。
6月4日(水)
近所にもタンチョウの姿をよく見かける場所があるのです が、今日は牧草地にやってきていました。この牧草地は芽 が出始めたばかりのようで、草の作り出すきれいなパター ンのなか、夕日を浴びるタンチョウはきれいでしたよ。他 の場所ではヒナを連れている姿も確認できて、今年も元気 に育ってくれているのが分かりました。命溢れる6月は、 外に出ていると元気を分けてもらえますね。
6月5日(木)
作例の撮影などで知床へ行ってきました。釧路の周辺では 滝などがないので、ちょっと足を伸ばさないといけないの ですね。夜は星の撮影をしてみました。周りには明かりな どないと思っていましたが、けっこう明るいものです。星 の光跡を撮影しようと露光時間を長くすると、すぐに空が 明るく写ってしまいます。目ではたくさんの星が見えるく らい星を観察するのにはいい条件だったのですが、撮影に は適していないのですね。やっぱり星の撮影は冬なのでし ょうか。しかし、めちゃくちゃ寒いからな・・・。
6月6日(金)
全道的に雨になっているようですね。おかげで原稿がはかどり ます。6月になって冬の通行止めが解除された峠をあがってみ たのですが、まだ少しだけ桜の花が残っていました。それほど 標高が高いわけではないのですが、きっと寒いのですね。その あたりは新緑もまだ出始めといった状態でした。晴れるように なってくれると、ここからの景色もきれいなんですけどね。明 日もあまりはっきりしない天気のようなので、できるだけ仕事 を片付けてしまおうと思います。
6月7日(土)
キタキツネの子供、だいぶ大きくなってきました。まだあどけ なさは抜けませんが、元気に遊び回っています。動きが激しい ので、撮影は難しいですね。一度巣を移動していましたが、移 動先も放牧が始まって牛でにぎやかになったせいか、元の巣穴 に戻ってきていました。牛と仲良くすることはできないのでし ょうかね。湿原の中ではタンチョウが2羽のヒナを連れている 姿も確認できましたし、いろいろ元気な姿をみられた一日でし た。
6月8日(日)
温根内の湿原木道を歩いていると、たくさんの花が見られる ようになりました。ヒメカイウも今が見頃といった感じでし たし、ミツガシワもたくさんありました。そろそろトンボが 出てくる頃だと思っているのですが、今日は見ることができ ませんでした。湿原は広いので、木道近くに来てくれないと 姿を見られないのですよね。去年撮れなかったものは今年中 におさえておきたいので、ちょっと焦りますね。
6月9日(月)
東京から知人が来ているので、知床へふたたび出かけてきまし た。しかし行ってみるとあちこちに知人が来ていて遠征したと いう感じではなかったですね。雨の降る予報だったのでのんび りするつもりが晴天に恵まれて朝からビッシリと撮影してきま した。気がついたら昼飯を食べていなくて、こんなのは久しぶ りです。意外と知床は近いので、また出かけてきたいと思って います。羅臼はシャチがすごかったそうですよ。
6月10日(火)
夕暮れ時の湿原にいると、あちこちから小鳥の声がしてきま す。私は声だけではぜんぜんどの鳥だか分からないのですが たくさんいると思うと、うれしくなってきますね。このヨシ キリもけっこう近くで大きな声でさえずっていました。しか しここにきて急に気温が上がっています。たしか去年もこの くらい時期に暑かった記憶があります。多少暑いのはいいで すが、30度は勘弁して欲しいですね。
6月11日(水)
花を撮影しに帯広へ遠征してきました。近いと思ってい たのですが、けっこう遠かったです。釧路エリアと違っ て気温も高くなり、たくさんの花を見ることができまし た。しかし、花を撮影するにもしても、花の表情が感じ られるようになるまで、時間がかかりました。やっぱり 日頃から撮影していないとダメですね。釧路のあたりに もいろいろな花が見られる植物園のようなものがあると いいのですけど、気候的に難しいのでしょうね。
6月12日(木)
釧路湿原の北部キラコタン岬は、やっと新緑が鮮やかになっ てきました。東京は桜が終わってしばらくすれば新緑がでて きますから、2ヶ月は遅いですね。午前中は快晴となって見 事な青空が広がりました。景色的には五月晴れといったとこ ろでしょううか。しかし、このところ天気予報があたらなく なりました。こうなると、予定が立てづらいんですよね。こ の時期は撮っておきたいものがたくさんあるので、もう少し 予報の精度が上がるとうれしいですね。
6月13日(金)
根室の落石岬にあるサカイツツジの群生地を見に行って きました。このサカイツツジ、日本ではここだけにしか 生息していないということです。6月中旬がピークとい うことでしたが、ポツポツと咲いているのを見られただ けでした。来年はもう少しいい時期に出かけてみたいと 思います。でも、サカイツツジ群生地の前は、ハクサン チドリがたくさん咲いていました。これもひとつの出会 いですよね。
6月14日(土)
夕方、いつも見ているキツネの巣とは違った場所で、子ギ ツネに出会いました。3匹いたうち2匹は真っ先に巣に帰 ってしまいましたが、1匹は草原を気持ちよさそうに散歩 していました。だいぶ巣と違う方向に行ってしまったので 無事に帰れているのかちょっと心配です。腕白ざかりです から、冒険をしてみたいのでしょうか。元気に腕白に育っ て欲しいものですね。
6月15日(日)
バイケイソウの花が咲き始めました。グリーンがかっていて 地味なので目立ちませんが、あちこちで見られる花です。最 近はエゾジカが蹴り倒してしまうことも多く、倒れて枯れた ものを食べているのではないかという話しがあります。バイ ケイソウには毒があるのでそのままでは食べられないのです が、枯れてしまえばその毒もなくなってしまうのではないか と考えられています。わざと毒を食べて、体にたまった悪い 毒素を出してしまうという説もあるようですが、命がけです よね。
6月16日(月)
ノハナショウブがほぼ満開となりました。湿原のなかで タンチョウと絡んでくれれば季節感もあっていいのです が、なかなかうまくはいかないですね。この時期はいろ いろな花が咲いているので、毎日少しずつ撮影しても追 いつかないかもしれません。気にしているトンボの方は 出てきているようですが、気温が下がると動かないので あまり目にしていません。もうすこし暑くならないと出 てこないのでしょうかね。
6月17日(火)
クリンソウの群生地を撮影しました。去年は気にしてい ながら撮りに行けなかった場所でした。思っていたより もたくさんの花が咲いていて、とてもいい雰囲気。あれ これ撮らなくてはいけないのでざっと回ってきただけと いう感じですが、すばらしいところでしたね。今度行く ときには、のんびり時間を気にせず撮影してきたいと思 います。
6月18日(水)
やっと間近で野生のヒグマの姿を見ることができました。もっ ともこのクマも耳にタグをつけられているので、日頃から動き を監視されているわけで、ほんとうに自然といえるかどうかは 難しいところなのですが。しかし、知床は世界でも有数のクマ が見られる場所であることはまちがいありません。今までクマ が人間に対して悪さをしたという話は聞いたことがありません し、もっとクマに対して寛容であっていいと思うのですが難し いのでしょうか。
6月19日(木)
エゾジカの子供がいろいろなところで見られますね。この 子鹿は生まれてから数日経っているようで、元気に跳ね回 っていました。産まれたばかりだと笹原は歩けないので、 けっこう人の歩く歩道に出てきて姿を見ることができるの ですが、今回はそういった姿は見られませんでした。晴れ ると暑いので、木陰に隠れてしまうんでしょうね。そうい えば、今年はフクロウの子供を見に行ってないな・・・。
6月20日(金)
睡蓮の花がきれいに咲いています。北海道で見られるとは 思っていなかったので、ちょっと得した気分です。この池 ではトンボの姿もよく見られるようになるようで、もうし ばらくしてからが楽しみです。今朝もイトトンボが羽化し たばかりの姿を見ることができました。しかし、まだエゾ トンボなどは見ることができませんね。
6月21日(土)
久しぶりの東京、雨模様の天気ということもあって湿度が高い ですね。標茶での27度と東京の27度では、体感的にはぜんぜん 違います。寒いのは慣れることができるようなのですが、湿度 はそういうわけにはいかないように思います。ジトッと汗ばん でくるのは、体がべたべたして気持ち悪いですね。いっそのこ と汗を流れるようにかいてしまえば、すっきりするのかもしれ ないですけど・・・。
6月22日(日)
タンチョウのヒナもずいぶんと大きくなってきましたね。 だいぶ姿もヒヨコからタンチョウらしくなってきましたが 遠目に見るとダチョウっぽいです。このくらい大きくなっ ていても、まだ親から餌をもらっています。まだ動きの激 しい魚などは捕まえられないのでしょうか。しかし、タン チョウのヒナは足が太いです。親の足はほっそりしている 印象ですが、ヒナは体に不釣り合いなほど。だからダチョ ウに見えてしまうんですね。美しい姿になるにはもうしば らく時間がかかりそうです。
6月23日(月)
去年は出会えなかったクシロハナシノブの姿を見ること ができました。湿原の中の花としては、とても数が少な いですね。氷河時代の生き残りといわれる植物で、とて も貴重な花なのですが湿原の中の方にいけば、まだたく さん見られる場所があるのでしょうか。これから先、い つまでも夏を迎えるごとにこの花と出会いたいですね。
6月24日(火)
道東も梅雨に入ってしまったかのような天気です。陽射し がないと気温も12度程度ととても寒いです。どんよりして いるのでちょっと標高の高い場所にあがると雲に包まれ、 とても美しい森の姿をみることができます。幹も雨に濡れ て黒々となり、いっそう森の重厚さが増していました。明 日もこんな天気のようですが、湿原はどんな感じでしょう か。
6月25日(水)
スカシユリがあちこちで見られるようになりました。花 びらの付け根のところに隙間があって、向こうが見える ことからその名が付いたようです。ユリというとこの時 期はキスゲも咲いていますから、一気に夏がやってきた という感じです。もっとも気温はそれほど高くなってい ないので、曇れば冬って感じの日も多いですけどね。そ ろそろ富良野・美瑛は花畑がにぎやかになってくる時期 ですね。
6月26日(木)
ロケがあって美瑛を回っていました。しかし、花はピーク すぎのものとこれからのものばかりで中途半端ですね。か ろうじてナノハナがギリギリ残っていたくらいです。でも ものすごく空気が澄んでいて大雪山の山々がハッキリ見え て撮影するのでなければとても気持ちいい天気でしたよ。 この天気がしばらく続いてくれるといいのですが・・・。
6月27日(金)
久しぶりにフクロウの子供を見に行ってきました。もう だいぶ大きくなっているのですが、やっぱり仕草は子供 なのでかわいいですね。はじめは隠れてしまっていまし たが、見に行ったら姿を現してくれました。地元の人も 大切に見守っていて、いつまでもここにフクロウが暮ら せる環境が残されていたらいいなと思いました。
6月28日(土)
ちょうど花の端境期になっている感じでしたが、あちこち 走り回ってみたら見頃の花畑もありました。ルピナスとボ タンだと思うのですが、奥の方はとんでもなく広い花畑で した。ただ観光用ではないようで、とくに鑑賞するような 場所ではありませんでした。ボタンの花は香料などをとる のに使うのでしょうか。この時期、ときどき大きな花畑に なっているんですよね。
6月29日(日)
ロケの帰り、美幌を過ぎたあたりで微妙に空が焼けていまし た。午後から美瑛では雲が広がり雨が降りそうになっていま したが、オホーツク海側は晴れていたようですね。知床方面 にいれば、きれいな夕陽が見られかもしれません。美幌から の移動距離は約200km。移動すればぜんぜん天気は違ってく るのですね。いつもいい場所に移動できればいいですが、読 みが外れるととんでもないことに。もっと自然の変化を肌で 感じ読めるようになりたいですね。
6月30日(月)
しばらく釧路エリアを離れていたので、久しぶりにキタキツネの 子どもたちに会ってきました。だいぶ顔つきもキツネらしくなっ てきましたね。でも、仕草はやっぱり子供。追いかけっこをした りじゃれ合ったり、元気な姿を見せてくれました。隣の牧草地の 草が刈られていたので、巣を移動していないか心配しましたが、 大丈夫だったようです。このまま巣離れまで姿を見せてくれるか と期待しています。