2011年8月分


8月1日(月)

釧路湿原では夏の花が咲き始めています。ギボウシの他、ドクゼリ
も夏らしい空のなかできれいに咲いていました。釧路では夏という
と霧のイメージが強いので夏空が広がるタイミングは貴重ですね。
お盆となるともう秋の気配なので、あと少しだけ夏の気配が続いて
くれることを期待しています。まだ小さいタンチョウの子供もいる
ので、もう少し暖かい日が続いて欲しいですね。        


8月2日(火)

水辺の近くではたくさんの蝶がやってきて吸水をしています。
この鮮やかなクジャクチョウも人が近づいても気にする様子も
なく夢中で水を吸っていました。よく見ていると、地面からつ
きだした茎のようなものから水を吸っているものがいたので、
もしかするとなにかおいしい味があるのかもしれません。虫達
の味覚って、どういう風になっているのでしょうね。    


8月3日(水)

もう遅いかなと思っていた釧路湿原のホタルですが、まだ
か細い光を漂わせて姿を見せてくれました。本州のゲンジ
ボタルのような派手さはありませんが、はかない感じが何
ともいいですね。こういった自然がいつまでも残されてい
くことを期待したいですね。             


8月4日(木)

森のなかでクマゲラに会うことができました。鳴かなければ近く
にいてもぜんぜん分かりませんね。これまでも、近くにいたのに
気がつかないということがよくあったのかもしれません。遠目に
はカラスみたいですし・・・。もっと生き物の気配を感じられる
ように修行しないといけませんね。キャンプで地面の上に寝てい
たから、少し大地の気を吸収できたおかげかもしれません。  


8月5日(金)

どんよりしているけど蒸し暑い天気でした。風景よりも虫の
姿を撮影して楽しみました。やっとナナホシテントウの姿も
見られるようになり、この夏の虫達も出そろった感じです。
昔はこういう撮影をするのに苦労していたのに、いまでは簡
単に撮らせてもらえるようになりました。被写体を見つける
のも撮影するのも、こんなに簡単だったっけ?という感じで
す。いま本州に戻ってこういうことをしたら、同じようにい
くでしょうか?                    


8月6日(土)

ラッコじゃないよ、ミンクだよ。今日も暑いので屈斜路湖の
湖面を散歩。そうしたら、かなり近くでミンクの姿を見るこ
とができました。意外と日中でも活発に活動しているのです
ね。まだ湖畔近くには魚の姿が多く見られるので、魚を狙っ
ていたのかもしれません。このまま背泳ぎできたら、ラッコ
そのものですよね。こうやって海に適応したのかな。   


8月7日(日)

前から行こうと思いつつも出かけていなかった雌阿寒岳。
オンネトーから登ってきました。昼頃から雲が広がって光
はあまりなかったですが、その方が高山植物を撮るのには
よかったかもしれません。もう終わってしまっていると思
っていたコマクサも少し見られてよかったです。目的は7
合目あたりの高山植物の花畑だったのに、せっかくだから
と山頂まで登ったのが間違い。両膝が痛くて降りてくるの
が大変でした。ガレ場なのですが滑りやすくて脚に負担が
かかるルートなんですよね。その前に、体重落とせって!?


8月8日(月)

湿原のなかを横断している、コッタロの砂利道を見て回り
ました。ウサギギクやクサレダマ、ツリガネニンジンなど
の花が見られます。しかし、ほとんどの人が砂埃を巻き上
げて走り抜けていくので、周りの植物は砂をかぶってかわ
いそうな状態になっています。そこで花を撮る気にもなれ
ず、少し離れたところで撮影してきました。ウサギギクに
はいろいろな蝶がやって来ていましたね。この砂利道、雪
融けのときに冠水することを想定してこうなっているそう
なのですが、このところ冠水はないですしいっそのこと舗
装してもらえないかと思ってしまいます。       


8月9日(火)

晴れている方へと足が向いて、清里町の男鹿の滝へ行って
きました。ちょうど昼頃だったので誰もいなくて静かに撮
影できました。もっとも、クマが出るところなので、ちょ
っとおっかない感じでしたが・・・。ただ、蚋やアブがす
ごくて撮影に集中できません。シャッター押すか刺される
か、気が散ってなりませんでした。その後、クマさんがい
ないかと林道を散策していたのですが、出会うことはでき
ませんでした。ただ、暑い日はやっぱり水辺ですね。  


8月10日(水)

7月には幼虫ばかりだったツユムシも、もう成虫の姿が見ら
れるようになりました。異常に暑かったり、急に冷え込んだ
り変な天気が続いていますが、そんなことはお構いなしに自
然の季節は移り変わっていますね。今朝は湿原でエゾトンボ
がたくさん飛んでいました。その近くでは鳥たちが集まって
トンボやアブなどを狙っていました。自然の連鎖を感じられ
る様子を見ることができましたよ。           


8月11日(木)

久しぶりにスッキリと晴れた一日でした。夕陽を家の近くで
見られたのも何日ぶりでしょうか。そろそろお盆となり、あ
と一週間もすれば秋の気配が広がってくる時期です。しかし
今日は暑かった。名古屋からやって来た方はさわやかだとい
っていましたが・・・。たしかに湿度は本州ほどはないので
すが、こちらの気候に体が慣れてしまうとキツイです。  


8月12日(金)

暑くて早朝に目が覚めてしまったので、近所の摩周湖にでかけ
てみました。快晴で太陽はギラギラと登ってきたのですが、家
にいるよりも涼しくて快適でした。ちょっと風があったので、
観光客の人達は寒そうにしていましたけどね。しかし、摩周湖
で観光写真とは違う構図を探すのは難しいですね。いろいろや
ってみたものの、進歩なしかもしれません・・・。     


8月13日(土)

気になっていた、北竜町のヒマワリを見に来ました。全体と
してはピーク過ぎで、種をつけ始めている花が目立つ感じ。
ヒマワリの里入り口あたりはこれから満開を迎えるので、も
う一度チャンスがあるかもという状態でした。でも、早朝は
霧が入ってきて、なかなか面白かったですよ。その後は日本
海側を移動して、積丹半島などを見てきました。しかし、お
盆時期は大きな移動をするものではありませんね。    


8月14日(日)

天気は下り坂となり気温が下がることを期待していたもの
の、あまり下がらず蒸し暑いですね。定山渓など水のある
ところも思っていたほど涼しくはならずに期待はずれ。う
ろうろしてみても思うような景色には出会えなくて、ちょ
っと消化不良となりました。いいと思う場所があっても、
車を止められないことが多いのですよね・・・     


8月15日(月)

朝のうち、ちょっとだけ日射しのあった札幌も、日中には
どんよりしてまた蒸し暑くなってしまいました。クルマユ
リの花を見ていたら、ツユムシやカメムシの幼虫が隠れて
いて楽しかったです。小さな生き物にとっては、花ひとつ
でも充分な隠れ家になったり食べ物を与えてくれる場所で
あったりするのですよね。天気の良くない日はマクロの視
線でいろいろ見てみると、発見がありますよ。     


8月16日(火)

出会ったのは何年ぶりでしょうか。この姿を見てなんだ
か分かる人はすごい。ミミズだって、オケラだって、ア
メンボだって〜の螻蛄(ケラ)です。モグラのような前
足はなかなかパワフルですね。捕まえて手のひらの中で
潜ろうとする力は中々のものでした。撮影してから潜っ
ていく様子を見ていましたが、あっという間でしたよ。


8月17日(水)

道央当たりまで出てきたので、樽前ガローへ寄ってみました。
雨上がりで川霧がうっすらと立ちのぼり、なかなかいい雰囲気
でした。しかし、自然が作り出す造形というか地形はすばらし
いですね。北海道は人の手が入らなければ、こういった場所も
もっとたくさんあったのかもしれません。海岸沿いのあたりも
本州なら1500mクラスで見られるような花がたくさん咲いてい
て、南北の広さを感じました。              


8月18日(木)

苫小牧のウトナイ湖。ラムサール条約で保護されている湿地
です。ここには冬に渡ってきてケガをしたりして北帰行でき
ないままいついているハクチョウやヒシクイなどが夏でもの
んびり過ごしています。このハクチョウも羽根があまりよく
ないようですね。仲間と一緒に渡っていけないのは寂しいで
しょうが、元気に過ごして欲しいものですね。      


8月19日(金)

お盆も過ぎたせいか気温もグッと下がって秋の気配が漂い
始めました。森のなかではトリカブトの花がめだつように
なってきましたね。花だけを見ていれば気品があってとて
も毒があるような感じはしませんが、アイヌの昔から狩猟
にも使われた強い毒があります。そういえば、この毒を使
ったといわれる事件もありましたよね。        


8月20日(土)

気の早いモミジはもう赤くなり始めています。緑が目立つ
森のなかでは赤がとても目立ちますね。ただ森を歩いてい
ると雨が多いせいか、葉が傷んでいるものが多いのが気に
なりますね。スズメバチも雨で巣が壊れてしまったのか、
作り直しているのがいました。暑かった北海道もお盆を過
ぎてちょっと肌寒い気候となりました。この秋はきれいな
紅葉が楽しめるでしょうか。             


8月21日(日)

小雨の降る釧路湿原。あちこちで水滴が輝いていてなか
なかきれいでした。コッタロの砂利道もこんな日なら砂
埃は上がらないので、どんな花が咲いているか探しに行
ってきました。ツリガネニンジンの他、サラシナショウ
マが目立ちました。観光客に餌をねだっているキタキツ
ネの姿もありましたが、無事に育ってくれるかな。  


8月22日(月)

最近は釧路側とオホーツク海側で大きく天気が違います。
釧路側では小雨が降るどんよりした天気なのに、オホーツ
ク海側では日射しがあったり青空が広がっています。自宅
のあたりは釧路側の気候のようで、どんよりの天気が多い
ですね。こういう天気だと、あまり撮影する気にならなく
て困ります。このミヤマクワガタは阿寒の滝見橋に転がっ
ていたのを娘が発見したもの。意外といるんですね。  


8月23日(火)

今日も一日シトシト雨の降る天気となりました。気温も急に
低くなって、外に出るにも上着が欲しいくらいです。草原の
虫達も気温が低いせいで活動できず、ジッとしているものが
多かったです。最近はモンキチョウがやたらと多くなってい
て、あちこちで姿を見られました。道路脇ではどこでもアカ
ツメクサが見られるので、増えているのでしょうね。   


8月24日(水)

釧路湿原ではサワギキョウが見頃となりました。湿原の中で
青い花が風に揺られている姿をのんびり見ていると、気持ち
も安らぎますね。ただ、晴れた日はアブなどが多いので、刺
されないように気をつけてください。夕方もちょっと焼けて
いたようですね。夏の終わりを飾るにふさわしい景色だった
のではないでしょうか。                


8月25日(木)

あちこちでセイタカアワダチソウが伸びていますね。外来種
なので人間的な発想では種の多様性を阻害するものとして煙
たがられていますが、たくさんの蝶がやってきているところ
を見ると自然界の生き物にとっては、歓迎される花であるよ
うに思います。人が勝手に自然の環境をなくしてしまったり
変えてしまうのよりは、ずっといいのかもしれません。  


8月26日(金)

サワグルミの実がだいぶできてきていて、エゾリスが食べに来て
います。でも、すべてが食べ頃ではないのか、じっくり選んでか
ら実を採っていますね。私が外から見ているだけでは熟成の具合
は分かりませんが、エゾリスには分かるのでしょうね。見えない
ところまで判断できる野生動物の能力、とても不思議です。判断
するのは匂い、外観、それとも透視でもしているのでしょうか?


8月27日(土)

久しぶりに青空が広がってくれました。日射しがあるとちょ
っと暑くなりますね。風もなくて撮影日和となっていたので
あまり行かない場所を回ってみたのが失敗で、ウロウロする
ばかりになってしまいました。でも、最後にいい夕焼けが見
られたので、良しとしましょうか。こんな夕焼けのなかをタ
ンチョウでも飛んでくれたら、いいのですが欲張り!?  


8月28日(日)

昨夜から摩周湖で星を撮ったりしていました。朝はピーカンで
雲も全くない状態でしたが、湖面に霧が沸き立つ様子が見られ
て面白かったです。もう少したくさん霧が出てくれば、かなり
かっこいい景色になったと思いますが、気温の上がるのが早か
ったのか、風が起きたのかすぐに消えてしまいました。湿原の
方の放射霧も、もっと低く出てくれればいいのですが・・・ 


8月29日(月)

今日も湿原では巣立ちしたばかりと思われるキタキツネが
ウロウロとしていました。しばらく様子を見ていると、車
が撥ねた昆虫などを拾って食べているみたいでした。だか
ら道路の近くに出てくるのですね。たしかに夏のキツネの
糞を見ると、昆虫を多く食べていることが分かりますが、
簡単に獲れる餌だからなのか、自然の流れとして時期的に
そうなるのか分からないです。この子も車を見ると寄って
行くタイプなので、事故に遭わなければいいですが・・・


8月30日(火)

ミゾソバが咲き始めています。このピンクが湿原で見られる
ようになると、秋が来たという感じがしますね。気温もだい
ぶ下がってきたので、もう暑さで参ったということもないで
しょう。これからは少しずつ鮮やかな色が増えるので、そん
な景色を探していきたいと思います。冬になったら白ばかり
ですからね。                     


8月31日(水)

涼しくなるものと思っていたら、台風の影響があるのか蒸し暑い
一日になりました。台風の方は迷走を始めたようで、この先の予
定を考えるのが難しそうですね。しかし、北海道へ来るんでしょ
うか? いままでは直撃するかもといいながら気温が低いので温
帯低気圧に変わっていましたが、今年はまだ暑い空気が残ってい
るようですから心配です。ヒヨドリソウにはたくさんのジャノメ
チョウが集まっていました。彼らにも台風の影響がないといいで
すね。